物価高や共働きによる忙しさ、ふるさと納税の利用増などを背景に、暮らしは「冷凍」を軸に設計されつつあることが明確になりました。機能の多さよりも、取り出しやすさ、掃除のしやすさ、脱臭といった日常の使い勝手が重視されています。
また、オープンキッチンの広がりにより、デザイン性への期待も高まっています。
毎日使う冷蔵庫は、社会情勢と生活スタイルの変化を敏感に映しているようです。
毎日の生活を支える冷蔵庫。最近では扉の形状や省エネ性能、スマホとの連携などの機能が増え、選ぶポイントも多様化しています。
みなさんの冷蔵庫の使い方や購入基準についてお聞きしました。
現在の冷蔵庫の使用年数は『5年以上10年未満』が最多で239人(約27.8%)。次いで『3年以上5年未満』(159人、18.5%)、『10年以上15年未満』(133人、15.5%)が続きます。
『15年以上』という長期使用も69人(8.0%)と一定数います。省エネやIoTなどの機能が進化する一方、価格や使い勝手の面から頻繁に買い替える人は多くなく、引越しや故障といった生活上の転機がきっかけになる傾向がうかがえます。
重視ポイントは『冷凍庫の位置・大きさ』が最多の575人(66.9%)、『省エネ性能』が522人(60.7%)と、過半数がこの2点を重視しています。
機能面のポイントが多い中、3位は『ブランド・メーカー』で333人、僅差で『デザイン(309人)』が続き、見た目やブランドへの信頼で選ぶ人も少なくありません。
IoT機能を重視する人は12人と少数ですが、Q7・Q8にはカメラ付きやスマホ連携への要望が見られ、より分かりやすい機能の紹介が求められます。
『その他』では、扉の向きに関する回答が目立ちました。
『片開き(左または右開き)』が423人(49.2%)で約半数、次いで『観音開き(フレンチドア)』が317人(36.9%)でした。
Q1の使用年数別に見ても、すべての期間で『片開き』が半数を超えています。
一方、Q7では「片開きだが、引っ越し後に扉の開け方が不便になった」との不満もあり、住み替えによってドア仕様と間取りが合わなくなる課題がうかがえます。
セカンド冷蔵庫・冷凍庫は『所有している』または『所有したい』が合計302人(35.1%)。冷凍需要の増加や、まとめ買い・ストック習慣の定着が背景にあると考えられます。
住宅種類別に回答を見ると、『所有している』は一戸建てがもっとも多く、61人。一戸建て居住者の約3割がセカンド冷蔵庫・冷凍庫を所有しています。
分譲マンションと賃貸マンション・アパートの居住者では、『所有している』が計65人(当該居住者の10.1%)、『所有したい』が138人(当該居住者の21.4%)。所有意向はあるものの、設置スペースの制約から、マンション居住者は躊躇している状況が考えられます。
回答は主に「アイスやお酒など嗜好品の買い置き」、「節約・時短を目的としたまとめ買いや作り置き」、「ふるさと納税の返礼品保管」などが中心でした。
『冷蔵庫の掃除・在庫チェック』や『庫内の見通しを良くする』など、整理整頓を心がける回答が多数を占めました。一方、メモやアプリで賞味期限を管理している人は27人と少数。Q7では、冷蔵庫から賞味期限のスマホ通知を望む声も見られました。
物価高や共働きによる忙しさ、ふるさと納税の利用増などを背景に、暮らしは「冷凍」を軸に設計されつつあることが明確になりました。機能の多さよりも、取り出しやすさ、掃除のしやすさ、脱臭といった日常の使い勝手が重視されています。
また、オープンキッチンの広がりにより、デザイン性への期待も高まっています。
毎日使う冷蔵庫は、社会情勢と生活スタイルの変化を敏感に映しているようです。